育児はお手本通りにいかない事の連続です。
教科書通りにも予想通りにもいかない、そんな育児に、毎日1人で直面しているママが年々増加しています。
ワンオペ育児とも呼ばれる「ママ1人での育児」が続くと、ママは「今この時」を乗り越えることに精一杯になってしまいます。そして、その先を見据えることが難しくなり、「いつまでこんな辛い時期が続くんだろう」と不安が募り、その結果、産後うつや育児ノイローゼになってしまうのです。
産後うつや育児ノイローゼは辛いものです。
私も2人目と3人目の出産後には産後うつで精神的にギリギリまで追い詰められた経験があります。
ママが育児について不安になり、産後うつや育児ノイローゼで気分が塞いでしまうようなとき、どんなことをすると気分が軽くなるのか、どうしたら暗闇から抜け出せるのか?
同じ状況を経験したママたちの体験談から見えてきた効果的な対策をご紹介します。
心を前向きにするために
まずは、ママの気持ちを少しでも前向きにしていきましょう。
他のママたちの体験談を踏まえながら、心を開いて不安やストレスを放出するための方法を一緒に考えていきます。
誰かに話す
気分が塞いでいる時には誰にも会いたくないこともあるでしょう。
本当に話したくない時には、1人静かに過ごす時間も必要かと思います。
もし少しでも1人が辛いと感じたら、迷わず周りの人を頼ってください。
旦那さんや実家のご家族、友人でも、あなたが話したいと思った人に連絡を取ってみてください。
けれど、身近な人には話しづらい、話しても分かってもらえないと感じたら、育児不安や悩みを相談できる窓口にコンタクトを取ってみてください。各市町村では無料の相談窓口を設置しています。場合によっては、悩みに応じた専門家(心理カウンセラーや女性保護団体など)に繋いてもらえることもあります。
誰かに話をすることで、自分が気づいていなかった本当の自分自身の想いや考えに気づくことができたり、違った考え方をもらえることで気持ちが軽くなる場合が多々あります。
ママたちの体験談では、
「娘が6ヶ月の時に産後うつになり、産院で近くの保育園の行事に参加してみたり育児相談に行ってみることを勧められた。実際に行くことはできなかったけど、必死の思いで電話をしたら、よく頑張ってますねと声をかけてもらえて涙が出た。自分がやってきたことが間違ってなかったと思えて気持ちが軽くなった。」(MOさん、神奈川在住)
「3ヶ月健診に行ったときに、産後うつで病院の受診を勧められた。赤ちゃんが泣き止まない時になんで?とイライラしたり、私はちゃんとしたママになれてない、と不安で押しつぶされそうだった。でもその時に助産師さんが他のママも同じ悩みを持ってることを話してくれて、自分だけじゃないと分かって気持ちが少し楽になった。」(SOさん、東京在住)
直接会って話すのでなくても大丈夫です。
電話やオンライン、またはチャットなどで話をするのでも良いです。
大切なのは、あなたの気持ちや状況を相手に伝えて、抱えていたものを誰かとシェアすることです。
1人で抱えこまないことが、産後うつや育児ノイローゼを脱出するための近道になります。
あなたの話を聞いてくれる人が必ずいます。
自分は1人ぼっちだと思わず、勇気を出して声をあげてくださいね。
もし、どこで話を聞いてもらえるのか分からない、身近に相談できる場所や人がいない、というママは、お気軽に私にご連絡ください。
あなたの話を私に聞かせてください。
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自分を認めてあげて
産後うつや育児ノイローゼのママたちによく見られるのは「完璧主義」な考え方です。
育児の教科書やママ教室などで教えられた子育ての在り方で、その通りにできないと「自分はダメだ」と思い、自分を責めてしまって気分が落ち込んでしまう方が多いように思います。
けれど、最初にお伝えした通り、子育ては予想外の連続でお手本通りには行きません。
そして、ママは初めての子育てで初めての体験ばかり。
完璧にできるはずなんてないのです。
できなくて大丈夫。
できなくて当たり前。
家事についても、赤ちゃんが生まれる前と同じようやることはかなり難しいです。
ママが1人で赤ちゃんのお世話をしていて、部屋がショールームみたいに掃除が行き届いて綺麗できっちり片付いているご家庭は、恐らくありません。できたとしても、ママはちょっと無理をしているのではないでしょうか。
私がお話ししたママたちからも、部屋の掃除や片付けが後回しになったり、できていなかったりすることで心配している声がけっこうあります。
そんなママたちにいつも私がお伝えするのは、
「ママはすでに十分に頑張っていますよ。大丈夫。ママは赤ちゃんのお世話とご自分の身の回りのこと(顔洗うとか食事するなど)できていれば、OKです^^」
同時に、「部屋が少し散らかっていても、多少のチリがあっても、人間は問題なく生きていけます。」
ということ。
同時に、
「まあ、いっか」
「明日やろう」
この言葉をつぶやいてみることをお勧めしています。
できるときにできる範囲のことをやれば良いのです。
そして、できているかできていないか、ではなく、大切なのは「やろうとする気持ち」はあるか。
できていない自分を責めず、やろうとする自分を認めてあげてくださいね。
あなたは十分頑張っていますよ (^^) 。
ママの回復のために
「産後1ヶ月は無理に体を動かさず、可能な限り体を休めること」と、多くのママは産前に本やママ教室で習うかと思います。
これはその通りです。
実際にはそんなに休んでられないよー!と仰るママも多いかと思います。
しかし、産後の回復期に我慢して動きすぎると、後々の疲労感の蓄積や産後うつに繋がりやすくなってしまいます。
大切な回復期をしっかりと休養に充てらないママが増えていることが、産後うつの大きな要因となっているのです。
休むことに罪悪感は不要
産後うつや育児ノイローゼで辛い時期に最も大切なのは、休息をとることです。
これができないママが本当に多いです。
日本人は本質的に真面目で、「休息」が苦手だと言われます。
体験談を寄せてくれたママたちからは、
「休んでいると怠けていると見られると思い、横になりたくても頑張って家事をやっていた。」(YMさん、東京在住)
「赤ちゃんが気になって気持ちが休まらず、深く眠れずいつも寝不足。赤ちゃんが少しでも動いたり泣いたりすると飛び起きていた」(MOさん、神奈川在住)
「旦那にやってと頼んでいたのについ自分が先に動いてしまって、結局は全部自分がやってしまっていた。結果的には自分で自分の首を絞めていたのかも。」(HKさん、東京在住)
赤ちゃんの横で休んでいると、ダラダラしていると見られたらり、さぼっていると思われることを懸念される気持ちは良く分かります。そう話されるママが多いのが事実ですし、実際に私も同じように感じていたママの1人です。
けれど、ママは堂々と休んで大丈夫です。
罪悪感を感じる必要は全くありません。
育児は10年以上続きます。
最初から頑張りすぎると、ママの体も心も疲弊して、いつしか倒れてしまいます。
休んで良いんです。
休むことがママにとって必要なことです。
頑張りすぎる日本のママたちの現状もありますが、先ほども述べたように、日本社会は育児負担がママに大きく偏ったままです。ここ数年で男性の育児参加や育休取得も増えてきていますが、まだまだその比率は小さく、ママが育児のメインになっている家庭が圧倒的に多いです。
ですが、ママが赤ちゃんから離れて休息をとるためには、パパの協力が必須です!
ここは焦らず、ゆっくりと、ママからパパへ、辛い時は「辛い」と伝えましょう。パパに話をする場合には、具体的にどんなことをしてほしいのかを順序だてて伝えることが大切です。
「言わなくても分かってよ」は男性相手には通じません。
ママたちの体験談では、こんなことをパパに伝えて協力してもらっていたそうです。
「休みの日には赤ちゃんを2~3時間でも良いからお世話してほしい」
「毎日寝不足だと体が辛いので、3日おきで夜の授乳(ミルク)を交代してほしい」
「仕事の後や休日はなるべく家にいて、家事やお世話を一緒にしてほしい」
「とにかく早く家に帰ってきて欲しい」
仕事をしている旦那さんのことも考慮しながら、できる範囲での部分的な協力をお願いしているママが多いのが分かります。
朝の出勤前の授乳とおむつ替えはパパ担当、としているという体験談もありました。
家事を代わってもらうのでも良いと思います。
私がお話しさせて頂いた多くのママたちは、トイレ掃除やお風呂掃除、洗濯を代わってもらっていたという意見が多くあります。
私自身も産前産後のしばらくは、布団の上げ下げやお風呂掃除を代わってもらっていました。
伝え方のポイントは、「手伝って」ではなく、「一緒にやって」です。
育児は「手伝う」ものではなく、父親も母親も一緒に担っていくものです。育児への夫婦協力体制を作っていくことを意識してくださいね。
もし、シングルで子育てをされていらっしゃるのでしたら、自治体や民間団体などが行っている育児サポートを利用されることをお勧めします。
私も以前は派遣型の産後シッターとしてたくさんの家庭のサポートをさせてもらいました。誰かの手に頼ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、辛い時には利用できるサポートは利用すべき、と私は思います。
自治体で行っている育児サポートはお住いの地域によっても異なりますが、一部の地域についてはこちらの記事(ブログ:疲れた…子育てから逃げたくなった時には)でご紹介しています。参考にされてみてください。
私にご連絡を頂ければ、利用できるサービスを一緒にお探しします。
身体のメンテンナンスをする
疲れたときに体を動かすのは億劫ですよね。
けれど、赤ちゃんのお世話で肩や背中、腰が痛くなってしまうママがたくさんいます。
中には、頭痛が収まらず、母乳育児で薬もなかなか飲めなくて辛かったという体験談もありました。
体が辛いと気持ちも沈みがちです。
ムリな運動はせずとも、緩やかな伸縮を体に与えることで心身ともにリラックスでき、安眠に繋がりやすくなります。
「授乳が終わるたびに肩や首ををぐるぐる回していた」
「横になって手足を思いっきり伸ばすと気持ちが良い」
など、ママたちが簡単なストレッチをされていることを話してくださいました。
赤ちゃんの抱っこや授乳、おむつを替えたりという作業は前かがみの姿勢が多くなります。その為に肩が前へ出て、胸が内側へ縮み、呼吸が浅くなりやすくなります。これを改善するために胸を開いて肩まわりをほぐしていきましょう。
おうちでできるお勧めのヨガポーズを2つご紹介します。
〇胸を開く – ワニのポーズ
*まず仰向けになり、反り腰にならないようにおへそを内側(床につけるように)に引き入れれます。顎を軽く引き、首の後ろを伸ばします。
*片膝を曲げ、両手で膝を抱えて胸に引き寄せます。
曲げている膝の外側を、膝と反対側の手で持ち、もう一方の手は肩の高さで横に伸ばし、手のひらを床につけます。
*息を吐きながら肩が床から浮かないところまで、膝を内側に倒ります。目線は、横に伸ばしている手の指先に。反対側も同様に行います。
〇肩の疲れをとる – 伸びをする仔犬のポーズ
*四つん這いになり、足先を床につけて、かかとを上げます。肩の下に手首、お尻の下に膝をセット。
肘を伸ばしたまま両手を体の前へ歩かせ、膝をひとつ分、膝を後ろに引きます。
*息を吐きながら胸の中心を床におろし、顎を床につけます。胸を床におろしにくい場合は、膝を後ろに引き、胸と膝の距離を広げるとスムーズにできます。
*痛みがある場合などは無理に床につけなくて大丈夫です。肩が伸びていることを意識しながら、ゆっくりした呼吸を心がけてください。
参考:ヨガジャーナル
上記以外にも、体のコリをほぐしたりリラックス効果のあるヨガポーズはたくさんあります。
体をゆっくりと伸ばしたり縮めたりすることで、凝り固まっていた筋肉がほぐれ、血流がよくなります。体が温まって全身の血の巡りが良くなると、副交感神経が刺激され、幸せホルモンが分泌されることでストレスが軽減していきます。
さらに、血流が良くなると体の末端まで温まってきますし、脳にも酸素が行きわたります。そうすると、少しずつ、ボヤっとしていた頭がすっきりしてきます。
良いことずくめのヨガ/ストレッチ。
ご自身の体調や確保できる時間なども考慮し、ぜひ生活の中に取り入れてみてくださいね。
また、専門機関で身体のメンテナンスをしてもらうこともお勧めです。
特に産後の骨盤矯正はぜひ一度試してもらいたいメンテナンスの1つです。
女性の身体にとって骨盤はとても大切な部位です。産後ママたちの多くは出産の影響で骨盤の位置がずれてしまっていたり、うまく開閉しなくなってしまい、産後の回復が遅れるケースがあります。
骨盤を元の位置に戻し、うまく動かせるようにすることで、出産前のように体をスムーズに動かすことができるようになります。
産後ママのお話から、こんな体験談をご紹介します。
「うちの子はしょっちゅう泣いていて、ずっと抱っこしていた。その為に腰や肩や色んなところが痛くなって、こんなに頑張ってるのになんで?と悲しくなり、一緒に泣いたりしていた。そんな時に、旦那が近所の整骨院を予約してくれた。産後うつで人に会うのも嫌だったけど、せっかくだからと骨盤矯正に数回通った。そしたら体が楽になり、赤ちゃんを抱っこするのもさほど辛くなくなった。私の身体が楽になったら赤ちゃんのお世話も苦痛じゃなくなって、少し気分も楽になったと思う。」(SOさん、東京在住)
赤ちゃん連れで通える整骨院/接骨院も増えてきています。
私自身も産後は、末子を連れて骨盤矯正に通った経験があります。子連れOKの整骨院で、赤ちゃんが寝ているとベビーカーごと院内に運び込んでくれました。大変親切で、体だけでなく心も救われていました。
骨盤を整えることで腰痛が改善されるだけでなく、姿勢も矯正され、身体のバランスがよくなります。バランスの良い身体は日々の動作をスムーズにします。
私の場合は骨盤矯正で体を整えた日は眠りが深くなっていたと覚えています。
赤ちゃんのお世話や家事をする際に体を動かしづらくて辛い場合には、骨盤矯正で一度骨格を立て直してみることをお勧めします。身体が整うと心も整いやすくなり、ゆっくりと眠れるようになってきますよ。
明るい子育てライフのために
産後うつや育児ノイローゼは本当に辛いです。
暗闇の中に1人ぼっちでいるような、孤独と不安で消えてしまいたくなるような感覚でいる方もいらっしゃると思います。
けれど、その暗闇は必ず抜け出すことができます。
大丈夫です。
終わりのない闇はありません。
あなたが産後うつや育児ノイローゼになってしまうのは、あなたが育児について真摯に向き合おうとしている証だと思います。
今できていなくても、これからできるようになれば良いのです。
子育ては誰もが初心者でスタートし、段々とできるようになっていくものです。
焦らないで、ゆっくり。
あなたの心が少しでも軽くなり、笑顔で満たされますように、応援しています。