子どもを育てるということは、想像以上に大変なことで、しかもそれは10年以上の期間を要します。
2017年に株式会社キッズラインが497名の子育て中の親(女性:479名 男性:18名)を対象に行ったオンラインアンケート調査では、91.7%が育児ストレスを感じていることが分かりました。
参考:株式会社キッズライン
ここでは、子育て中のママがストレスを感じる理由と、そのストレスを解消するために大切なことをお伝えします。
ママがストレスを感じる理由
子育てをしていて、ママがストレスに感じる要因は、
- 自分の時間がない
- 睡眠時間が十分にとれない
- 周囲の協力がない
- 責任の重さを感じる
- 先行きがみえなくて不安になる
1人になる時間がない
私の周りのママたちの多くは「1人になれる時間がない」ことがストレスになると体験談を寄せてくれました。
「ゆっくり横になりたくても、ずっと抱っこしていないとぐずぐずして、休むことができない」
「たまには1人で買い物に行きたいけど、預かってくれる人が傍にいない」
「旦那は週末も仕事があることが多く、1人で赤ちゃんとずっと一緒にいる」
思い当たるママも多いのではないでしょうか。
また、子どもの年齢別にみてみると、ママが最もストレスを感じる時期は子どもが1~2歳。
この頃の子どもは自我が芽生え、言葉を習得し始めます。それにより予想外の行動に出たり、イヤイヤで大泣きしたりと、ママにとってはストレスになってしまうことが多いようです。
また、行動範囲も広がって色んなものに興味を示して手を伸ばしますので、家でも外でも目が離せず、ママの心労も溜まりやすくなりますよね。
私自身も、3人の子育てをしてきて、自分1人の時間が取れるようになったのは子どもたち全員が幼稚園・小学校に就学してからでした。
周囲の協力がない
私が以前保育園でお会いした53名のママたちにアンケート調査をお願いしたところ(2017年)、3割以上のママが「あまり協力的でない」「まったく協力的でない」と回答しています。
「まあまあ協力的だった」と回答したママたちに
「どんな協力があれば”とても協力的だった”と感じることができたと思いますか?」と尋ねたところ、
ママが「1人になれる時間を取れるようにしてほしかった」と意見を寄せてくれた方がいらっしゃいました。
周囲の協力をあまり得られない環境で、ママが1人で育児をすることがストレスになっていることが分かります。
子育ての先行きが分からない
産後うつや育児ノイローゼになってしまうママに多いのは、いつまでこの辛い状態が続くのかが分からずに不安になり、気持ちが落ち込んでしまうことです。
・赤ちゃんの夜泣き
・人見知りによるぐずぐず
・子どものイヤイヤ
・自我と好奇心の芽生えによる「なんで?」「なんで?」連続質問
子どもの発達段階や今後の成長の将来像が分からないと、今の状態がずっと続くように感じてしまい、1人で抱え込んでしまいがちです。
特に、真面目なママは1つ1つ真剣に向き合おうとします。
その為に、子どもの行動にまっすぐに反応し、回数が重なるとイライラしてしまう傾向にあります。そして、思うように子どもを受け入れられない自分を責めてしまったり、罪悪感を感じてしまいがちです。
イライラ限界!ママのストレスを解消するには
子育てママのイライラを解消するためには、正しく段階を踏むことが大切です。
1つの方法を取り入れて、すぐにイライラが収まるということはありません。
焦らずに、1つ1つクリアして、不安やイライラを解消していきましょう。
第1ステップ:どんな時に不安やイライラを感じるのかを振り返る
ママは不安やイライラは、何に対して感じているのでしょうか?
不安に感じること(例):
・赤ちゃんの体重も身長も発達曲線よりも下で、他の子よりも発達が遅い
・なかなか寝返りしないし、あまり活発に動かない
・赤ちゃんがあまり笑わない
・抱っこしてあやしても、なかなか泣き止まない
・この先の子どもがどうなっていくのか、予想できなくてどうしたら良いのか分からない
イライラを感じること(例):
・赤ちゃんのお世話で休む間がなく、1人でゆっくり眠れない
・子どものイヤイヤで着替え、歯みがき、お出かけ、全てに時間がかかる
・片付いた部屋で生活したいのに、子どものおもちゃがいつも散らかっていてまったく片付かない
・子どもが言うことを聞かない
・1人で本を読みたいのに、子どもが騒いだり、ずっと喋りかけてくる
・旦那が非協力的
あげればキリがないほど、不安なことも、イライラすることも、思いつくのではないでしょうか。
第2ステップ:真の原因を探る
どんな時に不安やイライラを感じるのかを列挙できたら、次に、ご自分が最も強く不安を感じる場面やイライラがマックスに達す状況を思い返してみてください。
すると、どんな状況で、どんな事柄に根本的なストレスを感じ、本当はどうしたいのかが見えてきます。
例えば、
ママが最も不安に感じることが「赤ちゃんの発達が遅い」ことだとしたら、まずは
「なぜ、どんな時に発達が遅いと感じるのか?」
「発達が遅いことで赤ちゃんに不都合が生じているのか?」
など、不安に感じることの根本要因をさらに深堀して探ります。
その上で、その事柄に対する知識と情報を正しく集めます。
成長曲線はあくまでも目安であること。
子どもそれぞれ、体重も身長もその伸び率に個人差があり、成長スピードは違うこと。
体重・身長が平均値よりも今は低くても、離乳食が始まったら増加スピードがあがったり、もう少し大きくなったら平均値に近寄ってくることがあること。
赤ちゃんの体重・身長が成長曲線よりも小さいと悩むママはたくさんいらっしゃいます。
そして、成長曲線はあくまで目安であり、それに沿っていなくても問題ないことをお伝えしても、やはり心配が続いてしまうママも一定数いらっしゃいます。
その場合には、成長曲線が不安の原因ではないことが考えられます。
別の理由があるのです。
例えば、
・赤ちゃんの成長が遅いことを周囲、特に義実家で、とやかく言われる
・ママが周りの目が気になり、他の子どもと比較してしまっている
・赤ちゃんにもっと大きくなってもらいたいというママの期待が強すぎる
など。
上記のような状況の場合には、赤ちゃんの成長が遅いことそのものが根本要因なのではありません。それに付随する何らかの事柄が基で、ママが不安やイライラを感じてしまっていることが考えられます。
ただ、自分自身の不安やイライラについて、自分1人で探っていくことは難しいかと思います。
そんな時には、周りにいるママ友や家族、保健所や子育て支援センターなどで話を聞いてもらうことで頭の整理ができる場合があります。
近くに話せる相手がいないという方は、ぜひ私にご連絡ください。
メールやオンラインでママのお話を聞きながら、不安やイライラの正体を探るお手伝いをさせて頂きます。
第3ステップ:真の原因を取り除くための方法を考える
第2ステップで不安やイライラの根本要因を探り当てたら、次はそれを解消するための方法を考えていきます。
子育ての捉え方を長期思考に変える
先ほどの例をもとに考えてみます。
【例】赤ちゃんの成長が平均値よりも遅いことを周りと比較してしまって不安になっている場合
子どもの発達は個人差が大きく、他と比較することは何の意味もありません。
そのことが頭で分かっていても、やっぱり周りと比較してしまうというのなら、まずはママが比較しなくても良いと思えるような考え方を身に着けることが大切です。
ご自身の子どもの頃を思い返してみてください。
小学校の頃、仲の良い友達が自分よりも身長が高くて、羨ましかった。
大人になって再会したとき、身長差はあまり変わらないけど、相手も自分も同じように子育てをするママになっていて、同じような悩みを抱えている。
子どもの頃の身長差はどうでしょうか?
大人になっても気になりますか?
気になる~!というママもいらっしゃるかもしれません。
けれど、大多数の方は、大人になってからの身長差はあまり気にならなくなっているのではないでしょうか。
成長のスピードが違っても、大人になれば違いはさほど気にならなくなるものです。
長い目で子育てを捉えることで、今ある小さな違いは大きな問題ではないと捉えることができるようになります。
身長差も体重差も、見た目に違いはあるけれど、その後の成長に問題ない範囲であれば、「この子はこのままで良い」と許容できる長期思考に切り替えていきましょう。
正しい子育てを学ぶ
子どもの発達や心理に関する不安や悩みを解決するためには、正しい子育ての知識を習得することが大切です。
子どもが今どの発達段階にいて、次はどんな成長段階に入っていくのか。
*今できないことも、発達段階でみればできなくて当たり前
*イヤイヤなどの反応をすることは、次の発達段階に進むための大切な成長過程
*子どもが泣くとき、どんな理由があって泣いているのか
*夜泣きには原因があって、それに対する対処法がきちんと存在する
子どもの正しい発達段階と心理を学ぶことで、子育ての先行きが見えるようになり、ママの心に余裕が生まれてきます。
そして、子どもの成長に合わせたママの適切な声かけや対応について知り、それを実践することができれば、子育てを今よりもっと楽にすることができます。
まとめ
ここまで、
・ママがどんな時に不安やイライラを感じるのか
・ママが最も不安やイライラを強く感じる状況はどんなときか
・最も強い不安やイライラを解放するためには考え方や正しい知識を得る
ということをお話してきました。
いかがでしか?
ご自身の気持ちや状況を振り返り、気持ちを落ち着かせることはできましか?
ママが不安だったり、イライラしてしまうと、その気持ちは子どもに伝わります。
そうすると子どもが情緒不安定になったり、よく泣いたり、自信をなくしてしまって人との関りがうまくいかなくなるということが起こってきます。
ママの気持ちを安定させ笑顔でいられることが、赤ちゃんとの生活を円滑に笑顔で過ごす秘訣です。
ママが笑顔で、自信をもって赤ちゃんと過ごせますように、願っています。
不安やイライラの根本原因を知りたい
子育ての正しい知識って何?
ママの正しい声かけってどうしたらできるの?
と思われた方は、私とのオンライン子育て相談会へお越しください。
ママのお話を伺いながら、ママの望む解決策を探るお手伝いをしていきます。